届かなくても、
「久しぶりに来たなぁ…」



「5か月ぶりだわ、こっち来るの」



「きーさん友達いないの?」




「はい?w」







彼は皮肉な笑みを浮かべ


私を嘲笑した。





こいつには言われたくはない。



ごわごわの髪を


ぐしゃぐしゃにしてやろうと



飛びかかろうとしたその時。






「あー



きーさん先輩だー」





「マジだ!!はろぅきーさんw」







間延びした声で私の名前を呼ぶ男と



楽しそうなオーラがこちらに伝わってくる女。






可愛い後輩、梶山京太くん、





そして部活一の楽天家自由人、
(絶対音感もあるのに何故か


学指揮を辞退した人物でもある)




埴見夢叶(ハナミユメカ)だ。












「梶山と夢叶か。





お前らどうしたの?デート?」








彼は二人に尋ねた。






「デートしたいところなんですけどね」




「まぁ、探し人がいるのよ。





そいつら探してんの、うちら」






夢叶はいつもニコニコしている。




いつも話の核心を突かれるため



案外部長より怖い。




顧問の考えていることを予想して当てるし、
(部長はスルーしてるけど)




その他姫と仮面の喧嘩の仲裁etc...





ある意味でちょっと恐ろしかったりする。





感情むき出し本性丸出しで

人にかかってこない。




「能ある鷹は爪を隠す」とは



まさに夢叶の事だと思う。






「誰をお探し中なの?」




姫が訊くと




「花先輩です」





梶山くんが答えた。




「え、花も来てんの?」




「花が鬼ごっこしようとか言い始めて




行方をくらませた」








花は馬鹿か。






とこの場にいる全員が


こんなツッコミを入れたことだろう。




鬼は梶山くんらしいが、



花は一足先に逃げていったらしい。




夢叶はのんびりと花を探しているらしい。






大変そうだね。





私達はそういった視線を交えた。
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