届かなくても、

段々クラスメイトの関係もぎこちなくなってくる。





それは、当たり前と言えば当たり前だ。





何せ、３週間続いている。





周囲の人間は傍観者で






そいつらは主犯格によって制圧されてるから。






姫は知らない。






彼だって、もちろん。





あの二人とは今関わってない。







今日は学校に行ったら





鉛筆削りのカスが机に散らばっていた。







今更小学生並のいたずらだ。








仮面がこっちを見ている。






その手下がこっちを見ている。






クラスメイトも見て、






朝練が終わった奴らも見て、







たくさんの目が見て見て





目が笑って






『かわいそうにねぇ』



『やめてあげたらいいのに』



『興味ないし』



『いじめられる側も悪いでしょ』



『同情の余地はあるよね』






口に出さずに目でそれを言って



笑って



嗤って




そして通り過ぎていく。






その視線が一番腹立つ。






「どうしたのきーさぁんｗ」




「そんなに机の上汚しちゃってさ？」






仮面の手下が話しかける。





「気にすることないよぉ!!」







一人が私の背中を叩いた。






一斉に、顔を見合わせて笑う。






なんか反応しろよ、





つまんねぇのって声が、





心の声が聞こえる。






「……んなよ」