届かなくても、
「……んなよ」





「なんて言ったのぉ?」




「触んなっつってんだろ」







ぎこちなく笑いあっていたクラスメイトが





一斉に『目』をこちらに向けた。






嫌悪の目で。




嘲笑の目で。




同情の目で。







「何?うちらが汚いって言いたいわけ?w」





「お前じゃん、汚いの。






こーんなに机の上汚しちゃって」








反撃したところで一気に攻撃を始める。





朝練を終えた彼や、




本を読みながら入ってくる姫に気づかれる前に。








「みーんな、お前のことなんて大っ嫌いだよぉー?」






コートに手を突っ込んだ手下が言った。





甘ったるくて鼻を抑えたくなる香水の匂いがくる。







「しゃーす」







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