届かなくても、
「来たよ」



「おっそーい!!」



「お仕置き追加ねー」




「まぁ、せいぜい楽しんでよ」






仮面は体育倉庫に寄りかかってこちらを見ている。





手下組は拳で私を殴りつける。




足で蹴る。




たまに道具も使われるけど、さほど痛くはない。





腹に拳を喰らい、すねには強烈な蹴りを喰らった。





正直言って、助けを求めるのも馬鹿馬鹿しい。






3日前、髪の毛を掴まれ腹を蹴り上げられたあたりから





諦めがついていた。





助けを求めても、もう誰も助けてはくれない。





後ろ指を指して笑ってる。





逆らうから悪いんだ、と。





疲れてしまった。






部活はもうすぐ始まっている。




気を失いそうになりながらそれでも平静を保っていられたのは






学校という小さな世界に見捨てられたからかもしれない。
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