届かなくても、
「何してんだよ」







夢叶がいた。





音出しをしていたんだろう。





お手入れセットを持ち、


上履きのまま佇んでいる。






「やだぁ。夢叶ったら、こわぁい」







冗談を笑うように仮面は答える。




頭の中ではきっと夢叶を嘲笑ってる。








「言いたいことあるなら、




はっきり言いなよ」




「えぇ?別にないんだけどw」






「そう。じゃあ聞くけど




ここ最近の二組の

きーさんに対しての態度は何?



あんなこと出来るのあんたしかいないから」




「だから何?w」






この女はまだとぼけるつもりだ。





仮面は防火用と書かれている




近くにあった水の入ったバケツを手に持った。







「つーか何?お前もめっちゃ調子乗ってるよね。






うぜぇんだよ!!」





防火用のバケツを両手で持って夢叶にかけようとした。






その時誰かが私と夢叶の腕を引っ張り




私達は大きく後ろに尻もちをついた。






バシャっと音を立ててその水は盛大に飛び散った。





おかげでその水はかからなかった。








「蛍…」






蛍が、助けに来た。
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