届かなくても、
「せーんぱいっ」





午後練に備えて階段にて一人でパンを食べていると




梶山くんが顔を覗き込んだ。




何故一人で食べているのかというと




単に嫌いな同級生と一緒にいたくないからだ。





姫は好きだけどね。





というと姫はテンションが上がっちゃうから



言わない。






「一緒に食べていいですか?」




「どうぞ」





「失礼しまーす」





梶山くんはセブンで買ってきたものと思われる





おにぎりを手にしていた。





それと…チキン?



らしきものが手に。





何故チキンなのかは


あえて聞かないでおこうっと。





「きーさん先輩いつも一人ですよね?




…失礼ですけど友達いますよね?」






…本当に失礼なこと聞くね。





というツッコミはさておき私は頷く。





「相手が自分のこと友達と思ってる場合がほとんど。





基本認めてる友達なんてほんの一握り。」




「ひどいですね」





「梶山くんもね」





えへへ~とにこにこしている梶山くんは




手に持ってるチキンを頬張った。





寒い階段が少しだけ




暖かさを取り戻した。
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