届かなくても、
「そう言えばどうして私なんかに告ったの?」




「なんで?ですか?」






「うん」







梶山くんは頭上に?マークを浮かべる。




その後に梶山くんは頷き、話し始めた。





「夢叶先輩に言ってこい!!って


言われたので」




「夢叶?」




「はい」






なんで夢叶?と思ったのが顔に出ていたのか



梶山くんは説明する。






「いつもお世話になってるっていうか…





俺が何してもニコニコしてるし。





説得されちゃって思わず…」





照れ笑いをしている梶山くんは何だか楽しそうで




私も一緒に笑顔でパンを食べる。





チョコが入っているパンでベタベタしないので



とてもおいしい。





「そう言えば、救急車の音、さっきからしますね」



「言われてみればそうだね。



それに…音が近づいてる」





「何ででしょう。お年寄りの発作ですかね?」






私は首を傾げて笑った。




その時、微かに聞こえた悲鳴は



副顧問の声だった。





「どうしてこんなことに!!」






小さくて聞き逃しそうなその声は





梶山くんには聞こえていなかったみたいだ。





この子はいつも通り楽しそうにチキンを頬張っていた。
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