届かなくても、
「あいつのせいでお母さんは死んだのよ?




自分の置かれた状況分かってるの!?」







麗亜は声を荒げる。





女は表情一つ変えず





静かに消え失せた。






麗亜と顔がそっくりだった。






交互に見てはいたけど




やはり似ている。






現に麗亜が「お母さん」と




確かにそう言っている。





麗亜は唇をぎゅっと噛みしめた。




拳を固く握り、私を見た。





目の下に隈が出来ている。






「助けて…」







麗亜はそれだけ言葉を残すと




膝から崩れ落ちた。
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