俺様社長に捕らわれて
「よう、洋輔」
「圭人、今日の午後の予定はどうなってる?」
「特に何も予定はないが、確認してほしい書類がある」
「定時には帰れるか?」
「まぁ、お前が真面目に仕事すれば帰れる量ではある」
「なら、午後は何も予定を入れるな」
「了解」
圭人に念を押すと、洋輔は美優にメールの返事をしたのであった。
「彼女へのメールですか?」
「あぁ」
「だからそんなに顔がユルユルなんだな…。会社に着くまでに、その顔をどうにかしろよ?」
圭人は洋輔に念を押すと、車に乗り込んだ。
「そんなに顔に出てるのか?」
圭人の言葉に、洋輔は何だか納得していないようであったが、顔をキリッと引き締めると、洋輔も車に乗り込んだのであった。
2人が住んでいるマンションから、会社までは車で5分くらいの所にある。
歩いて行けない距離ではないが、何かあった時のためにと、社用車を利用することにしているのであった。