俺様社長に捕らわれて
玄関へ入ると、偶然にも父、徹也と遭遇した。
「今、帰りか?」
「う、うん…」
「遅かったな」
「今日は外で食事をしてきたから…」
「まぁ、お前も社会人になったわけだし、世間では華金という日だから、たまにそんな日があっても良いだろう。だけど、くれぐれもあんまり遅くなるなよ?心配になる…」
「はい」
「…まさか、彼氏でもできたのか?」
「えっ?」
「田中がそのようなことを言っていた」
「田中さんが…」
美優は今日の退社前のやり取りを思い出し、頭を抱えたくなった。
そんな美優の様子に、徹也は嬉しくなり、少し話そうと、美優をリビングへと連れて行った。