俺様社長に捕らわれて




「あら、おかえりなさい。美優」

「ただいま、お母さん」

「さぁ、美優。座りなさい」








美優は徹也に促され、ソファーに腰掛けた。
母、美香も何の話が始まるのだろうと、ワクワクしながら、お茶を用意し、徹也の隣に座った。









「最近の美優は、人間らしくて良いと思う」

「人間らしい?」

「あぁ。今までお前は何処か藤堂家の一人娘として、半ば諦めているところがあっただろう?」

「そうね。進路も就職先も親の敷いたレールを歩き続けてきていたものね」

「そんなつもりは…」

「全くなかったとは言えないでしょう?美優は藤堂家の一人娘として、どうしたら最善なのか、考えて行動していたわ。だから、貴女は進路について嫌だとは言わなかったでしょ?」

「……分岐点でいつも導いてくれていたから何の違和感も感じなかったの…」









美優の発言に、美香は驚いたかのように言葉を続けた。




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