俺様社長に捕らわれて
*立ちはだかる問題
翌週の月曜日。
徹也は仕事場に着くと、田中を社長室に呼び出した。
「お呼びでしょうか?」
「あぁ、悪かったな」
「いえ…」
「長谷川社長との日程はどうなった?」
「あちらの秘書の方から返答がきました。今日の夜、もしくは、水曜日、木曜日の夜であれば…とのことです」
「そうか…」
「如何なさいましょうか?」
田中の言葉に、徹也は悩んでいた。
そして、ふーっと大きな溜め息をつくと、真っ直ぐ田中のことを見た。
「善は急げというからな。今日の夜と返事をしておいてくれ」
「かしこまりました。お嬢様はどうなさいましょう?」
「美優には内密に」
「しかし…」
「今日は習い事の日だ。それに、相手の目論見がわからない以上、連れて行けないだろう」
「そうですが…」
「それより、長谷川社長のことは調べてくれたか?」
「………」
「田中?」
何も言わない田中に、徹也は不思議に思った。
意を決したのか、田中は重たい口を開いた。