俺様社長に捕らわれて



「私のせいですみません…」

「美優ちゃんのせいじゃないから安心して。全ては洋輔が悪い。それより、こうして会うのは二度目だね。洋輔の秘書をしている小野寺圭人と言います。よろしくね」

「はい。よろしくお願いします」

「これ、俺の名刺。何か困ったことがあったら連絡して。プライベート用の携帯電話番号も書いておいたからさ」

「ありがとうございます」

「……必要ないだろう?」

「いやいや、秘書としては当然だからね?友達としてなら不必要だと思うけど、仕事柄ちゃんと把握しておいた方が良いことも出てきそうだからさ」

「………」








圭人の言葉に洋輔は納得ができない様子であった。
そんな2人のやり取りに、美優は思わず笑ってしまった。









「仲が良いんですね」

「学生時代からの付き合いだしな」

「いやいや、洋輔。そこは親友だからって言うところだろ?」

「…親友…」

「お、おいおい。そんな俺を可哀想な目で見てくるのは止めろ!地味に傷つくじゃねぇーか!」








洋輔と圭人のやり取りは、美優の家に着くまで、行われ続けたのであった。





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