俺様社長に捕らわれて




「あぁ。でも会ってみて良かったと思っている」

「何故ですか?」

「全ては美優、お前のためだったと知ることができたからだ」

「私?会社ではなくて?」








美優は徹也の言葉に疑問を感じた。
業務提携を持ちかけてきたくらいだ。
自分と付き合ったのも、実は会社のためではないのかと、不安を覚えた。









「あぁ。彼は本当にお前のことを想ってくれているし、付き合ってもいないうちから、長谷川社長は、美優、お前のことを考えてくれている。普通に考えたら、長谷川社長との結婚を私は認めるわけにはいかない。しかし、そうなった時のことを考えて、長谷川社長は今日、計画案を提示してきた。どちらの会社にとってもベストになる形をな。それ程、お前を手離したくないそうだ。父親である私の前で彼は惚気ていたよ」

「………」

「そんなに想われているなんて、幸せだな」

「……反対しないんですか?」

「反対しようにも、反対できるだけの材料がない。それに、父親としては、娘をそんなにも想ってくれているだなんて、嬉しいじゃないか」








そう言った徹也の表情はとても嬉しそうであった。
すると、お茶を運んできた美香が拗ねた表情をしていた。





< 164 / 194 >

この作品をシェア

pagetop