俺様社長に捕らわれて
そして、デザートであるバースデーケーキを食べていると、ふと美香が口を開いた。
「そう言えば、近くの公園で今年からイルミネーションをやるみたいなんだけど、見に行った?」
「確か今日からじゃなかったか?」
「そっか。そうだったわね」
「お父さんもお母さんも詳しいね」
「お知らせの手紙がこの前ポスティングされてたのを思い出したのよ。その時、お父さんと一緒に見ていたから」
「そうなんだ」
「まだそんなに遅い時間ではないし、せっかくだから2人で行ってきたらどうだ?」
「良いの?」
「勿論。なぁ、母さん」
「そうね。せっかくだから行ってらっしゃい」
「美優、せっかくお2人がこう言ってくれているから、見に行こうか」
「うん」
「場所はここから近いんですか?」
「歩いて5分くらいかな。駐車場はないから、車はここに置いて歩いて行くと良い」
「ありがとうございます」
洋輔が御礼を言うと、美優は立ち上がり、洋輔と自分の上着を手に取った。
「洋輔さん、コートどうぞ」
「ありがとう。……では、行ってきます」
そう言うと、洋輔と美優は外へ出た。