俺様社長に捕らわれて
「弘兄(こうにい)……従兄は実のお兄ちゃんみたいに優しくて、奏(かな)くんや大(だい)ちゃん…従弟たちは私のことをお姉ちゃんみたいに慕ってくれていて、よく本当の兄弟に間違えられてました」
「そうなんだ。従兄弟とは言えど、美優の小さい頃を知っているだなんて、ちょっと妬けるな」
「えっ…」
「まぁ、小さい頃の美優のことは追々聞くとして、歳が近いのは…ってことは、後の2人は歳が離れているのか?」
「隼(はや)くんとほーちゃんは10個くらい離れているので、遊ぶというよりは面倒を見ていたに近いんです」
「10個ってことは、今は小学生くらいか」
「はい。今、中学生と小学生です」
「そうか。10個も離れていると、可愛いだろうな」
「可愛いですね~。洋輔さんも兄弟がいないとは言っていましたが、いとことかは?」
美優の言葉に、洋輔は考える仕草をした。
「いるにはいるが、美優のところみたいに交流がなくて、どちらかと言えば疎遠気味だな…」
「そうなんですね」
「兄弟もいないし、美優みたいに兄弟同然で育ったなんて羨ましいよ。今度美優の従兄弟たちにも会ってみたいな」
「弘兄たちに伝えておきますね」
それから公園に着くまで、美優の従兄弟の話で2人は盛り上がっていた。