俺様社長に捕らわれて
「わ、私で良いんですか?」
「美優以外は考えられない。あのパーティーで美優と出逢えて本当に良かったと思ってる。美優に出逢わなければ、誰かを愛おしく思う気持ちは芽生えなかったと思う」
「っ……洋輔さん……私でよければ、よろしくお願いします」
「美優じゃなきゃ駄目なんだよ」
洋輔はそう言うと、美優の左手薬指に指輪をはめた。
「婚約指輪は、俺が勝手にデザインしたけれど、結婚指輪は美優がデザインしたものにしよう」
「洋輔さんがデザインしてくださったんですか?」
「あぁ。あのパーティーの後、デザイン画をジュエリーショップcloverに持って行って作成を依頼したんだ」
「えぇっ?!」
「偽名を使ってたし、多分藤堂社長もさも気付いていないと思う」
「洋輔さん、ありがとうございます。とても嬉しいです」
その瞬間、周囲から拍手が沸き起こり、すっかりと2人の世界へと入っていた洋輔や美優は、あまりの人の多さに、驚きを隠せないでいた。
どうやら、プロポーズをしていると気付いた人達が2人の周囲を囲み、人集りを作っていたようだ。
そんな周囲の状況に気付かない程、2人だけの世界へと入っていた洋輔と美優。
何だか恥ずかしくなり、美優は思わず洋輔に抱きついてしまった。