俺様社長に捕らわれて
第1章 出逢い
*パーティー
それは何時もと変わらない日常であった。
美優はいつものように、父親で社長でもある徹也の秘書として働いていた。
そんなある時、美優は社長の徹也に部屋に来るよう呼び出されたのであった。
「お呼びでしょうか?」
「あぁ…すまなかったね。実は、来週の金曜日にパーティーがあって、そこに同行して欲しいんだ」
「パーティー…ですか?」
「あぁ…。直接、うちと取引があるわけではないが、今急成長を遂げている会社でね、招待状をうちにも送って来たんだよ」
「………」
「まぁ、確かにうちはそこまで大きい会社ではないし、今後も会社を大きくしようとは思っていない。だが、長谷川グループは色々幅広く展開している会社であることは確かだ。そんな会社と関係を築いておくのも悪くはないと思うんだ」
「わかりました。私は社長の意向に従います」
「そう言ってくれると思ったよ。パーティーは7時かららしいから、その辺りに予定は入れないでくれ」
「かしこまりました。調整きておきます」
「頼んだよ。…それと、折角パーティーに参加するんだ。これでドレスを買ってきなさい」
「しかし…」
「たまには着飾っても良いんじゃないか?」
「………」
「秘書の藤堂美優も良いが、今回は娘の美優としてパーティーに参加して欲しいんだ。これは私の我儘だ。お前が秘書として参加したいと言うのであれば、これで新しいスーツを買うと良い」
「………わかりました」
そう言うと、美優はカードを受け取ると、社長室から出て行った。