俺様社長に捕らわれて
*買収計画
パーティーの翌日、長谷川グループが慌ただしく動いていた。
「洋輔」
「あぁ…圭人か。何かわかったのか?」
「勿論!俺の情報収集能力を舐めてもらったら困るね」
「…勿体ぶらないで早く報告しろ」
「はいはい。ジュエリーショップcloverは、既に知っているように社長の藤堂徹也と社長秘書の田中秀敏が二人三脚であそこまで会社を成長させたらしい。社長の藤堂氏は勿論、秘書の田中も相当やり手みたいだな」
「そんな情報はどうでも良い」
「あー、はいはい。つーか、一応段取りっていうものがあるんだから、最後まで大人しくしてろよ…」
「………」
圭人の言葉に気分を損ねたのか、洋輔はムッとした表情になった。
そんな洋輔の姿に苦笑いしながらも、圭人は報告を続けた。
「で、問題の洋輔がロックオンした哀れな子…藤堂美優は、今年の3月に大学を卒業したばかりの22歳のO型。ちなみに、誕生日は12月5日。
兄弟は無し。藤堂氏は、ゆくゆくは会社を一人娘に継がせようと思っているらしいよ」
「へぇ〜…」
「まぁ、彼女自身、社会人になってまだ4ヶ月しか経ってないわけだし、今すぐではなく時期を見て…って感じなんだろうけどね」
「それで?会社の経営の方はどうなってる?」
「さっきも言った通り、藤堂氏と秘書の田中が相当やり手だから、経営状態は悪くない。うちほど大きくはないけど、そこそこ利益だって出ている」
「なるほど…。経営面では突っつく要素無し…って所か…」
そう言うと、洋輔は何やら考えるような仕草をした。