俺様社長に捕らわれて
「お前、本当に買収するつもりなわけ?」
「…あぁ。あいつを俺の物にする為には、買収する他ないだろう?」
「けど…ジュエリーショップcloverを買収するのは相当難しいぞ?」
「12月…いや、11月末までに決着をつけろ」
「はぁ?!お、お前っ…一体今、何月だと思ってるんだよ!」
「8月だろ?」
「8月だろ?じゃねーぞ!難しいって言っている案件を、3ヶ月でどうにかしろってか?!」
「何か問題でも?3ヶ月もあれば十分だろう?それ以上は、俺が待てない」
「……ハァー……お前はそういう奴だよな…」
「俺を誰だと思ってる?欲しい物は必ず手にしないと気が済まない。何が何でもアイツを俺の物にする」
「……了解」
洋輔の言葉に、圭人は苦笑いするしかなかった。
ロックオンした洋輔を止められるはずがない。
なぜなら、今まで長谷川洋輔が欲しいと思った獲物を前に、逃げられたことはないのだ。
洋輔にロックオンされた美優は勿論、ジュエリーショップcloveに対して圭人は、哀れみの眼差しで遠くを見つめていたのであった。
「小野寺…早速だが、これをジュエリーショップcloveの社長宛に送付しておいてくれ」
「これは?」
「計画第一弾だ。まぁ、流石にそれでは向こうの社長も首は縦に振らないだろうがな…。まぁ、期限はまだ3ヶ月もある。徐々に攻めて行くさ」
そう言う洋輔の顔は、何かを企んでいるようであった。
そんな洋輔の態度に、圭人は密かに敵に回したくない奴だと改めて思っていた。