俺様社長に捕らわれて




「私、間違ってますか?」

「いえ、一般社員という間柄であれば間違っていないと思います。しかし、社長からしてみたら、お嬢様はお嬢様なんです。パーティーの洋服を買ってやりたいという社長の親心もわかってあげてください」

「でも、こんなことがある度にそんなことをされたら、私だって働いてお給料をもらっているのに、他の方に申し訳ないです…」

「では、こうしたらどうですか?今回は社長の顔を立てるつもりでお言葉に甘え、カードを返す時に今後はそういったことはしないように、社長に伝えたらどうでしょうか?そうすれば社長も、きっと次からはそういったことはしなくなるのではないでしょうか」

「成る程…。田中さんの言う通り、今回は社長の顔を立てて、お言葉に甘えようと思います。だけど、次からはこういうことはしないようにハッキリ伝えます」

「えぇ、それが良いと思いますよ」

「話を聞いて下さってありがとうございます」

「いいえ」








そう言うと田中は、自分のデスクに戻った。
美優も自分のデスクに座ると、社長から預かったカードを無くさないように、財布にしまったのであった。


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