俺様社長に捕らわれて




「そんな…辞めて下さい。それに、過ぎたことですし、私ももう気にしてませんから…」

「そうか…」

「はい。確かにあの時、長谷川社長にあぁ言われて、正直ビックリしたし、今までの自分は間違っていたのか…って考えて、当たり前だと思っていた日常が他人によって覆されたことに、戸惑ったこともありました」

「………」

「だけど…あの時長谷川社長にあぁやって言ってもらえて、私は自分を見つめ直すことができました。それに、今まではただ単に言われたことだけをこなしていくだけの日常だった私に、長谷川社長のあの言葉で今では何がしたいのかっていう目標みたいなものも出来たんです」

「目標?」

「はい。自分で何かをしたい、こんなことがしたいって、こんな風に思えることなんて、今まではありませんでした。まだ今は秘書の仕事の傍ら勉強中ですが、いつか目標を達成できたらな…って思ってます。だから、そんなに謝らないで下さい。私は寧ろ、長谷川社長に感謝をしているんです」








そう言った美優の表情は笑顔で溢れていた。
そんな美優の表情に、洋輔は見惚れていた。





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