俺様社長に捕らわれて
「それで?さっきの続きだけど…」
「あっ…はい…。圭人さんは秘書としても優秀の方なんでしょうけど、長谷……洋輔さんの親友としても、とても素敵な方なんですね」
「あぁ、そうだな」
「私も秘書として、社長を支え、社長のことを第一に考えられる秘書になりたいです」
「美優ならきっとなれるさ」
「…ありがとうございます」
「もし、まだ時間が大丈夫なら、君の話を聞かせてくれないか?」
「私の話…ですか?」
「あぁ。君が良ければだが…」
「それだと、洋輔さんはつまらなくないですか?」
「あぁ。美優の話が聞きたい。美優と話をしていると、自然と肩の力が抜ける気がするんだ」
洋輔の言葉を聞き、美優は「それなら…」と話し始めた。
本当に何気ない日常の出来事だったり、この前美優が見た映画だったりと、仕事とは全く関係のない、美優の話ばかりであった。
しかし、洋輔は嫌な顔なんてすることなく、美優の話に耳を傾け、時折相槌を打ったり、質問をしたりしながら、会話を楽しんでいた。
楽しい時間というのはあっという間であり、もうすぐ美優は会社に戻らなければいけない時間が近づいて来ていたのであった。