俺様社長に捕らわれて
洋輔が会社に着くと、圭人は驚いた表情をしていた。
「しゃ…社長…?!」
「あ?どうした?」
「まだ2時間経っていませんが?…私はてっきり、時間オーバーして帰って来るかと…」
「ハッ…俺ってそんなに信用ないわけ?」
「いえ…そうではなくて…。社長が申告そうな表情をしていたので、てっきり時間がかかるかと…」
「お前が2時間って言ったんだろーが」
「そうなんですが…。それに、何だかスッキリした表情をしてませんか?何があったんですか?」
「あぁ。偶然、藤堂美優に会った」
「!!」
洋輔の言葉に、圭人は驚きを隠せないでいた。
そんな圭人の様子に、苦笑いしながらも、洋輔は自分の机へと向かって歩いて行った。
「へぇ~…。それで偶然会って社長はどうしたんですか?まさかとは思いますが、そのまま何もなかったとは言いませんよね?」
「バーカ。俺がこのチャンスを逃すわけないだろう?話をして、プライベート用の連絡先を交換した」
「へぇ~…流石、社長。よくアドレス交換までもっていけましたね」
「あぁ。正直、俺自身も驚いている。けど、運命の流れは俺の方に傾き始めたんじゃないかと思う。それ以外、説明が出来ない」
「まぁ、確かに…」
「これをきっかけに、俺達が思い描いている方向に進むと良いんだが…」
そう言うと洋輔は、社長室の椅子に腰掛けたのであった。