俺様社長に捕らわれて
それから美優は、カードのことなど忘れて、仕事に励んでいた。
そして、気付いたら定時の時間になっていた。
「お疲れ様です。時間ですので、上がって頂いて大丈夫ですよ」
「でも、田中さんはまだ仕事が残ってますよね?もし、私に出来ることがあったら、手伝いますよ?」
「お心遣い、ありがとうございます。しかし、私もこの書類を纏めたらもう仕事は終わりますので、大丈夫ですよ」
「……わかりました。それではお先に失礼します」
これ以上は言えないと判断した美優は、言われた通り上がることにした。
荷物を持ち会社を出ると、その足でショップへと駆け込んだのであった。
「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか?」
「スーツ……いえ…パーティー用のドレスを見せてもらえますか?」
「かしこまりました」
それから店員は何着かのパーティー用のドレスを美優に見せた。
その中から気に入ったドレスを1着だけ購入をした。
もちろん、社長から預かったカードを使って支払いを済ませたのであった。