俺様社長に捕らわれて
それから美優は、そのまま帰ることはせず、化粧室へと向かった。
そして、鞄の中からポーチを取り出すと、化粧を直し始めた。
「って…、洋輔さんと会うのを楽しみにしてるみたいじゃない…」
無意識に行っていた行為だったが、冷静になった美優は自分の無意識の行動に慌てていた。
「ま、まぁ、化粧直しは最低限のマナーよね。……別に変じゃないわ」
自分にそう言い聞かせた美優は、化粧直しが終わると、何事もなかったかのように化粧室から出て行った。
時間を確認しながら、待ち合わせ場所のカフェへと急いだ。