♠俺様王子と貧乏メイド♧


帰り道。


「わ!見て!西園寺学園の
 生徒さん達だよ!!」


茜ちゃんが指差した方を見ると、
真っ白のブレザーに青のラインが
入った特徴ある制服を来ている女の子達
が華やかに歩いていた。


私の高校の近所にある西園寺学園。

お金持ちの通う高校として有名で
いつも学園の校門では貧乏でも分かる
高級車が列を作ってお坊ちゃんや
お嬢さまを出迎えている。


「いいよねー!あんな生活一度は
 してみたい!!」

隣の茜ちゃんは大きな瞳を輝かせて
前を歩く西園寺学園の女の子達を
見つめていた。

私は絶対縁の無い生活だと思ってるから
お金持ちを見ると喉が渇いてくる。


「あ!そういえば今日お母さんに
 買い物頼まれていたんだった!」

危ない!忘れそうだった!



…いや、忘れてしまいたかった。



「買い物?私も付いていくよ!」


だめだよ!茜ちゃんにあの戦いは
見せられない!



「あ、いや、大丈夫!!それじゃ!」


私は茜ちゃんに手を振ると
気合いを入れるために薄い制服を
捲った。
 
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