♠俺様王子と貧乏メイド♧
放課後。
授業を終え帰ろうと茜ちゃんと
下駄箱に行くと何やら校門が
騒がしかった。
「どうしたんだろうね。
皆、集まって」
茜ちゃんは皆が騒いでるのを
不思議そうに見ると
私も「なんでだろうね」と
一緒に見た。
上履きからローファに履き替え、
私達は少し早足で校門に近づく。
校門に近付くにつれ、女の子が
きゃーきゃーと騒いでる声が
大きく聞こえてきた。
「見えないね」
ポツリと茜ちゃんが呟き
私は人の間をきょろきょろと覗いてみる。
なんだか黒いもの…
あれは…
「え?!」
そこには良く西園寺学園の前に
止まっている黒い高級車が二台。
なんで、この高校に!?
…と、白いブレザーに青のラインの制服を
着た男が…何やらいってる?
って、あ!!
あの男、昨日私にぶつかった人!!
なんであの人が…
”「お前俺のメイドになれよ」”
あ…そうだった。
私は昨日の事を思い出して、
どこかに隠れようと考えた瞬間、
その男と目が合った。