その光を、追いかけて。
低くて、少しかすれた声。
髪にばかり注目していたけど、声も顔もすごくかっこいい。
綺麗な二重に薄い唇。
鋭い瞳のキツいところも素敵。
ちょっと長めの髪の色が彼を目立たせている。
「ねぇねぇ、君の名前は────」
「ああん? あんた今なんて言った?
『うぜぇ』ですって?
この超絶可愛いマイエンジェル仁葉に向かって⁈」
すごい勢いの梓ちゃんに遮られる。
「優しい優しい仁葉があんたに話しかけてやってるのに、その態度⁈
ふっざけんじゃないわよ!」
「……」
「ちょっと、聞いてるの⁈」
「……」
うーん、カオスだね。
「梓ちゃんいいよー。大丈夫」
「だって、仁葉ぁ……」
「それに梓ちゃんもはじめはそんなことを言ってたじゃん」
「う、や、その。あの頃はあたしも荒れてたのよう」
うんうんわかってる、と宥める。
仁葉は別に梓ちゃんを責めてるわけじゃないんだよ。