その光を、追いかけて。




「陽介さん、柚季に触んのやめて下さい」

「あらら、てるてるヤキモチ?」

「そうじゃないですやめて下さい」

「全くー、てるてるってば素直じゃないなー」

「その呼び方もやめて下さい」

「やっだよーん」



鬱陶しい。



ぐぎぎと歯を食いしばり、火花を散らして睨みつける。

陽介さんは面白がってるし、間に挟まった柚季は気にもとめてない。



柚季はもうちょっとくらい気にしろよ……。



彼女の肩に触れる手を払おうとしたその時、ガツンと頭に衝撃。



「いっつぅ……」



頭を押さえてしゃがみこむ。

どうやら渉さんにゲンコツを落とされたらしい。



「熱心なのはいいけど、輝は走りすぎになるからダメ。
こんなところで話してたら片づかないし、さっさと流して帰るぞ」



そのまま部長は陽介さんの腕を引いて行く。

からかいすぎだと注意する声に、「だってー、てるてる面白いんすもーん」と返す声。



怒りますよ。






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