その光を、追いかけて。




「てるてるは本当に走ることばっかだよなー」



俺の隣で筋肉をほぐしながら、陽介さんが呆れたように呟く。

足を開き、ぐぐぐーっと前に体を倒しながら「はぁ」と気のない返事を返す。



だって、普通に考えて、そんなの当然じゃん。



「俺、走るの好きですから」

「うっわー、もうなんなのお前。
陸上に真っ直ぐすぎて、お兄さんてるてるが眩しいっ。
名前からして眩しいっっ」

「陽介さん、馬鹿ですか」



なんだとー! とプンスカしている陽介さんは怒っているようには見えない。

この人は怒っている時でさえ、軽いのか。



「……お前はいつも走ってる気がするなぁ」

「陽介さんが走ってないんですよ!
もっと練習しましょう」

「おれは努力って言葉が誰よりも嫌いな男だぞ⁈」

「威張らないで下さい」






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