その光を、追いかけて。
「よーし、てるてるはおれのことが好きで仕方がないらしいから、おれも明日の練習は頑張るかな!」
「好きじゃないです」と返そうとしたが思わずへぇ、と声をこぼす。
珍しいことに、あの陽介さんがやる気な発言だ。
いつもそうだったらいいのに。
「それなりに!」
「ダメじゃないですか、それ」
ははっと笑ってストレッチを切り上げた陽介さんが立ち上がる。
さっきよりもっと俺の頭をぼさぼさにすることも忘れない。
そのまま部室に向かったその後ろ姿。
それは嫌いじゃないんだよな……、とこっそり思っていた。
俺もストレッチを済ませて、挨拶を交わし、柚季と肩を並べた。
日によっては、俺が自転車を漕いで、その後ろに柚季を乗せたり。
ふたりで寄り道をしたり。
そんな帰り道も、とても好きだった。
…………好き、だった。