その光を、追いかけて。
「よかったね、輝。
練習、頑張ってたもんね」
「それは……努力しないと届かないって知ってたから」
「そう言える輝は素敵だよ」
思わず言葉に詰まる。
柚季は自然に告げているけど、すごく恥ずかしくて……嬉しい言葉だ。
「きっといい成績が残せるから。
追いこみ一緒に頑張ろうね!」
さらり、さらり。
笑顔のまま、汗で貼りついた髪を梳いてくれる。
冷たい指先が頬をなぞる。
そのまま両手で包みこまれた。
「ゆず、き……」
慈しむようなその手つきが、愛しくてたまらない。
俺も布団から手を出し、そっと柚季に手を伸ばす。
髪を撫でて、耳をかすめて、頬に滑らせ、……唇に触れる。
柚季が俺の熱が移ったみたいに、赤くなる。
ああでも、俺ものぼせているのかも。
体、発熱。
心、急上昇。