その光を、追いかけて。
「ひとつ、質問に答えてやる」
ようやく話をしてくれたことが嬉しくて、笑いながらなぁに? と言う。
「俺が髪を染めたのは春休みじゃない」
「え、そうなの?
んー、今まで見たことないと思ったんだけどなぁ」
「転校してきたんだ」
ああ、そっか。
なるほど。
学年の切り替わった時の転校生は、普通に教室に入れられてるもんね。
うんうん、と頷く。
「前の学校で問題を起こして、いられなくなったからここに来た」
「え……?」
「だから、もう俺には近づくな」
その瞬間、担任の先生が教室に入ってきて、話は強制終了。
名残惜しそうに自分の席につく梓ちゃんと、なにごともなかったかのように頬杖をついている坂元くん。
先生、タイミング最悪だよ……。
ふわり。
風に揺られて、目の前の坂元くんの髪が踊っていた。