その光を、追いかけて。




風邪が治って来てみれば、珍しく練習に来ていない陽介さん。



不真面目で遅刻はしても、滅多に休まない。

だから俺と同じように風邪でも引いたのかと思えば、学校には来ているんだと。



用事があるとか、渉さんには適当な理由を伝えているみたいだけど……。

俺は治ってから1度も見かけてないから、本当かどうかは知りようがないんだよな。






この時期に陽介さんがいたのは、いつもは渉さんのそば。

今の俺の立ち位置。



でも、陽介さんが練習に来たら、今回はそこに彼はいない。



……わかってる。

もう決まったことだと。



譲れることじゃないし、譲る気もない。



だけど、どうしようもなくその事実に……苦しくなるんだ。






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