その光を、追いかけて。




始業式の最中。

つまらない校長先生の話に飽きた仁葉は隣に座る坂元くんに小声で話しかけた。



「ねぇねぇ、坂元くん」

「……まだ話すのか、お前」

「えー、話すよー。
仁葉、坂元くんと仲よくなりたいもん!」



呆れた様子だからって気にしないよー!

だってその坂元くんの金色の髪、綺麗で好きだしね。



「言っとくけど、こうなった仁葉はめげないから。
あんたもあたしと同じように仁葉が好きになるでしょうけど、譲ってなんかやらないわよ!」



うーん、それはちょっと想像できない。

多分こんな仁葉を好きになってくれるのなんて、梓ちゃんだけだと思うな。



キッと梓ちゃんが坂元くんを睨みつける。



「……うるせぇな」

「なんですって⁈」

「……」



またふたりは揉める……。

坂元くん、ため息吐いちゃってるよ。



梓ちゃんと坂元くんって相性が悪いのかな?

もっと仲よくできたらいいのにね。






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