その光を、追いかけて。




ひゅうっと、喉の奥で音がする。



息がうまくできない。

苦しくて、苦しくて。



慣れていたはずの走りながらの呼吸法。

吸って、吸って、吐いて、吐いて……吐いて吐いて吐いて────。



「う、ぁっ」



声を吐き出す。

そしてそのまま言葉にならないそれを、叫ぶ。






俺が待ってるって気づいていなかったわけじゃなかった。

怪我がひどかったわけじゃなかった。



ただ、俺が嫌だったんだ。






……ああ、ようやく、わかったよ。

全てが終わってしまったんだな。



陸上も、柚季も。

迷惑をかけて、傷つけて、もう戻れない。



「ゆず、き……ぅ、うあぁ……」






守りたかった。

守れなかった。



傷つけたくなかった。

傷つけたのは…………。



「、ふ……っぅ、」



好き、だった。

柚季が大好きだった。



嘘じゃなかった。

でも、もうきっと本当にもなれないんだ。






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