その光を、追いかけて。
「……ということなの」
氷が溶けて、味が薄くなったお砂糖たっぷりのミルクティーを口に含んだ。
目の前に座る梓ちゃんのアイスティーのグラスも、仁葉のと同じく汗をかいている。
坂元くんと土手で出会った日から2週間が過ぎた今日。
すっかり梅雨になり、じめじめと重苦しい空気とは正反対の梓ちゃんとデート。
カフェで坂元くんから聞いた過去の話をしていた。
もちろん勝手に話したわけじゃないよ。
自分からはしたくないから話しておいてくれって言われてたんだ。
予定よりずっと遅くなっちゃったんだけどね。
坂元くんが、彼女の柚季さんを傷つけてしまったこと。
先輩の陽介さんとのすれ違い。
仁葉は上手く伝えられたかわからないけど、自分なりに坂元くんが話した通りに伝えたつもり。