その光を、追いかけて。
「仁葉はね、柚季さんみたいに坂元くんのことは怖いと思わなかったの。
でも、……それは実際に体験してないからなのかなぁ」
お行儀悪くも、手持ち無沙汰で目の前のミルクレープをフォークでつつく。
話に集中していたせいで、梓ちゃんのティラミスもまだ手をつけられていない。
「なにもかもわからなかった。
仁葉はどうしたかったんだろう……」
「考えてあげなさい」
目線を上げれば、優しく微笑む梓ちゃん。
そっと頭を撫でてくれる。
「仁葉が考えて、考えて。
そうして出した結論は絶対にあいつを救うわ」
「そう、かな」
梓ちゃんがええ、と力強く頷いた。
「あたしの時みたいに、諦めないでいてやったら。
きっともう、……それだけでいいの」