その光を、追いかけて。




仁葉がなにも言葉にできず、うんうんと唸っていると、



「邪魔」



扉を塞いでいた仁葉たちに坂元くんがそう言った。



「あ、ごめんね」



さっと笑顔を浮かべて、みんな道をあける。

仁葉たちに目を向けることなく通って行った彼をみんなそっと見つめていた。



完全に見えなくなったところで、ほうっと忍んでいた息を一気に吐き出す。



「みんな、そんなに坂元くんが怖いの?」

「怖いに決まってんじゃん!」

「あの金髪! 目つき!
なんでか知らないけどいつも怒ってるし!」



うわわ、すごい勢い。

胸ぐらを掴まれてもおかしくないくらいだね。



そっかー。うん。

みんなにとって、坂元くんの立ち位置はそうなんだね。



「坂元くん、そんなに怖くないけどな」



坂元くんってば、損な生き方をしてるよ。

みんなも、坂元くんも、とっても素敵なのに。

仲よくなれない人たちじゃないのに。






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