その光を、追いかけて。
テニス部、バスケ部、ソフトボールに卓球。
もちろん文芸部や放送部、美術部なんかの文化部の子たちも。
みんな、みんなお互いを大切に思ってる。
人前でけなせるくらい、親しい関係を築けている。
────坂元くんだって、おんなじだったんだ。
仁葉はまともに部活に入ったことはないからいないけど、それでもわかる……。
仲間、だったんだよね。
毎日、一緒に部活して。
競い合って、成長して、泣いて笑って時間を共にして。
なくしたくなかったはず。
みんな、そう思ってたはず。
すれ違ってしまった。
だけど、今でも坂元くんが柚季さんたちのことを思っているように、きっと彼女たちも坂元くんのことを思っているはず。
ふとした瞬間によぎる存在のはずだよ。
1度でも大切になった人をなくしたこと、後悔しないわけがない。
「うん……うん。みんな、ありがとう」
「え? どういたしまして?」
不思議そうに傾げたみんなの向こうに、珍しく遅刻ギリギリの梓ちゃんの姿を見つけて、話をたたむ。
仁葉にだっている、大切な人に笑顔を向けた。