その光を、追いかけて。




「あのね、梓ちゃん。
坂元くんのこと……どう思う?」



クラスの子たちは坂元くんのことが基本的には怖いって。

でも、仁葉たちといる時は怖くなかったって言ってた。



じゃあ、梓ちゃんは?

一緒にいて、言葉を交わしていた梓ちゃんはどう思ってたの?



ドキドキしながら、梓ちゃんの言葉を待つ。



「ばか」

「え?」

「ばかだと思うわ」

「えー」



それって、……どういうことなんだろう。

褒めてないよね、わかりやすくけなしてるよね。

つまり好きじゃないってこと?



うう、よくわかんない。



「だってあいつ、ひとり落ちこんで、から回ってるじゃない。
いつもいつも面倒な男よね」

「えーと、うん。まぁそうかな?」



苦々しく吐き出した梓ちゃんに、仁葉は同意することしかできない。

だって、怖いから。



相変わらず梓ちゃんの坂元くんへの評価は厳しい。

かなりシビアだよね。






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