その光を、追いかけて。
坂元くんから過去の話を聞いた日。
『きっと俺が怖いとか、嫌だとか、そう思うから』
君はそう言って、嫌われる心構えをしておいて。
でも、そう思われることにひどく怯えていたね。
だけど違う。
そうじゃない。
仁葉は、そんな風には思わなかった。
たくさんたくさん考えた。
何度も何度も考えた。
でもね、答えはやっぱり変わらなかったんだ。
「坂元くん」
「……」
「坂元くん……っ」
名前を呼べば、瞳を揺らして。
坂元くんは息を呑んだ。
ねぇ、人を遠ざけなくていいんだよ。
また誰かを傷つけることを恐れて、距離をとろうとしなくていいんだよ。
君がひとりになる必要なんて、ない。