その光を、追いかけて。
呼び方が変わるだけですごく特別な気持ちになる。
こそばゆくって、恥ずかしくって。
だけどね、やっぱりなによりも嬉しいと思うんだ。
ねぇ、光ちゃん。
本当は輝くん、もっと辛いと思うんだ。
傷を抱えたまま生きるのって、そんな簡単なことじゃないから。
でも、そうやっていこうって決めた笑顔は、なんて素敵なんだろう。
柚季さんのことを好きなまま、前へと歩き始めた輝くんは、なんて眩しいんだろう。
仁葉にはないその輝きに、思わず目を細めてしまうくらい。
輝くんみたいに優しくない。
光ちゃんみたいに笑えない。
そんな仁葉で、とってもずるいけど。
……一緒にいたいんだ。
だから、ねぇ。
輝くん。
どうか、ここから動く気のない仁葉には気づかないで。
知らないまま、笑顔を交わして。
ただ、梓ちゃんと3人で一緒に時を重ねよう。
光ちゃん、弱い仁葉でごめん。
ごめんね。
でも、まだ……このままでいいでしょ?