その光を、追いかけて。




「じゃあ……うん。お願いします!」



ぺこりと頭を下げると、梓ちゃんが嬉しそうに手を合わせる。



「じゃあ次の予定は決まりね!」

「仁葉、頑張って現国の解説するからねっ」



メラメラとやる気の炎が燃える仁葉の頭を輝くんが、ぽふぽふと撫でてくれる。

顔を見上げると、とっても優しい表情。



「気負いすぎなくていいから。
少しずつ進めような」

「……ありがとう」



そうは言ってくれても、やっぱり仁葉の方がふたりに頼っちゃう形になるのはわかりきってることだから。



だからせめて、仁葉は一生懸命やらなきゃいけない。

ふたりを支えられたんだよって言えるくらいじゃないといけない。



そう、思うんだ。



「じゃあ、今日の夜に連絡するわ。
それで決めましょう」



話が落ち着いて、ひとりずつ電車を降りて行く。



またね。バイバイ。

繰り返し口にして、その言葉の中に含まれた愛おしさに仁葉はそっと微笑んだ。






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