その光を、追いかけて。








「ただいまー!」



家に帰って来て、まず1番にお出迎えしてくれるのは、しっぽをパタパタと振るシュガー。

いい子にお留守番してた? と訊くとキャン、といいお返事。



まとわりつくように仁葉の周りをぐるぐるとしながら、そのままリビングへと移動する。



カウンターキッチンからひょっこり顔を出したママがにっこり笑顔を浮かべる。



「おかえり、仁葉。楽しかった?」

「うん!
今度、勉強会する約束もしてきたよー」



よかったわねーと言ったママに頷いた。



それでね、と話を続けようとした時、響き始めたのは家の電話の音。



「仁葉ごめんね、ちょっと出てくれる?」

「はーい」



パタパタと電話へと走る。



「はい、鈴宮です」

『……もしかして、仁葉ちゃん?』






それは、聞き覚えのある声。

過去へと一瞬で引き戻す声。






























「光ちゃん、ママ?」






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