その光を、追いかけて。
「ね、坂元くんって低血圧だったりする?」
「……そうだったら?」
やっぱり!
仁葉の予想、当たりだ!
「じゃあ朝、うるさくしたら辛いよね。
ごめんね。もうちょっと大人しくする!」
「そりゃどうも……」
そんな気づかいできるんだ、と言わんばかりの表情。
坂元くんの瞳が丸くなる。
仁葉は空気を読めないわけじゃないんだよ。
意図的に読まないだけなの。
「あ、でも、またおしゃべりしてね?
坂元くん、せっかくいい声してるんだから聞いていたいもん」
えへへーと笑ってみせる。
だけど、坂元くんからはなんの反応もない。
え、まさかここでも無視?
無視なの?
そんなに仁葉とおしゃべりしたくないのかな。
さすがにちょっとだけ悲しくなるよ。
「…………は⁈」
今までで1番大きな声。
すごい時間差!
その時、坂元くんの顔を見て驚いた。
「真っ赤だ……」