その光を、追いかけて。
え、え、なにこれ。
仁葉はただ「いい声」って言っただけだよね?
それだけでこんな反応なの?
やだやだ、なんかすっごい恥ずかしい!
こんな素の表情で、照れていて。
仁葉の言葉に引き出された顔に、胸がきゅううと音を立てる。
思わず胸に手を当てた。
「さ、坂元くん……?」
「っ、」
そっと声をかけると、びくりと肩を揺らした彼。
いつもみたいに人を寄せつけないオーラを放っていない。
正直に言って、……可愛い。
「いい声、とか。
そんなこと言ってくんな」
「なんで?本当に素敵な声だと思うよ。
言われたことない?」
「ない」
それは……うーん、なんでだろ。
「仁葉は好きだよ。坂元くんの声」
胸の奥に響くような声はすごく心地いい。