その光を、追いかけて。
仁葉は、光ちゃんが好き。
だから、会いたいの。
可能な限り、そばにいたいの。
それで友だちに嫌な気持ちにさせちゃだめだってわかってる。
それでも!
────光ちゃんが、好きなの。
だから、……言えない。
光ちゃんにだけは、そんなことがあったって言えない。
もし言ったら、光ちゃんは悲しむ。
仁葉に気をつかうようになっちゃう。
「ごめんね」なんて、言わせたくないもん。
光ちゃんはとっても魅力的な人だから、高校でも人気で。
それでも……少しずつ、光ちゃんが学校の人と距離が開いてしまったこと、知ってるんだ。
仁葉なんかじゃ足りないけど、それでもいないよりはマシなはずだから。
仁葉は小学生だし、まだまだ子どもだけど。
きっとすぐに成長してみせる。
だって、もう次の梅雨がきたら、中学生になってるんだよ。
セーラー服を着て、光ちゃんの隣に並ぶって決めてるんだから。