その光を、追いかけて。




ねぇ、光ちゃん。

仁葉はここにいるよ。

光ちゃんのそばにいるんだよ。



そんな想いをこめて、光ちゃんの背中に回した手に力を入れる。



仁葉は光ちゃんのためならなんでもしたいの。



だから、……だからなんでも言って。

仁葉のことを子ども扱いなんてしないで。

ひとりでこらえたりして、抱えこまないでよ。



仁葉のこと、ちゃんと見て欲しい。



触れあった頬の柔らかさ。

耳に直接流しこむような切ない声。

かすかに震える指先。



その全部が仁葉の胸をどうしようもなく締めつけた。



君はこんなに近くにいるのに、嫌になるくらい遠いね。



ねぇ、────光ちゃん。






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